お知らせ 訪問看護ステーション わかあゆ

褥瘡(床ずれ)について

お知らせ

在宅での褥瘡の治療と予防法について

褥瘡(じょくそう)とは圧迫されたところの血流が悪くなり、その部分に酸素や栄養が行き届かなくなって、皮膚、皮下組織、筋肉などが死んでしまうことです。「床ずれ」と呼ばれることもあります。

在宅療養をしている高齢者は栄養状態が悪かったり、持病があったり、寝たきりで同じ姿勢でいることが多かったりと、褥瘡が発生するリスクが高いため、日頃からの予防が大切です。治りが悪いと手術が必要になりますが、治療可能です。

褥瘡の原因と起きやすい場所

褥瘡は外からの圧力がかかりやすく、皮膚が弱くなりやすい部分によくできます。後頭部や耳、肩、ひじ、ひざ、かかと、くるぶし、背中、腰骨の辺り、お尻でよくみられます。

皮膚状態の悪化を引き起こす原因は大きく、皮膚、全身、環境の3つに分けられます。

皮膚
皮膚がふやけたり乾燥したりすると、弱い刺激でも傷がつきやすくなります。ふやけの原因は汗・尿・便やおむつによる蒸れ、乾燥の原因は保湿ケア不足によって引き起こされます。
全身
体を自由に動かせなかったり、痛みを感じづらかったりして同じ姿勢を続ける、食事が十分に取れず栄養不足、薬や病気の影響で皮膚が弱いなどが挙げられます。心不全、脳梗塞などの脳血管疾患、糖尿病、骨折、認知症などの病気がある場合は注意が必要です。
環境
介護のマンパワーが不足すると、定期的な体位変換(体の向きを変えること)が難しくなります。また、介護者の知識・技術不足も皮膚状態を悪化させる原因です。姿勢を正しく整えられず、患者さんの体に余計な圧力がかかってしまいます。

ここまでは褥瘡ができやすい部位や起こる原因について解説しました。ここからは褥瘡の処置や予防法についてみていきましょう。

軽症の場合の処置

皮膚の赤くなった部分を指で押したときに、白くならずに赤いままであれば、それはすでに褥瘡です。このような軽症の褥瘡は、清潔にして潤った状況を保つことで、皮膚が再生するのを助けるケアを実施します。

指で押して白くなる皮膚の赤みは褥瘡ではありません。しかし褥瘡になりやすい状態ですので、こまめな体位変換などで圧力がかからないようにして、褥瘡を予防しましょう。

<褥瘡ケアの手順>

1.洗浄する
特に尿・汗・便は皮膚のバリア機能を低下させるため、石けんを使ってきれいに洗浄し、取り除きましょう。汚れが付着していない場合は水道水のみで問題ありません。
※消毒は新たに出来てきた皮膚の組織にもダメージを与えてしまうため、基本的には行いません。
2.軟膏を塗る
皮膚をきれいにしたら、医師に処方された軟膏を塗布し、ドレッシング剤と呼ばれる皮膚を保護するテープを貼ります。この時の軟膏やドレッシング剤は褥瘡の状態でこまめに変更していくことがあるので、訪問看護師や医師の話を適宜聞いて行いましょう。
3.患部に圧力がかからないようにする
褥瘡部位に圧力がかからないように姿勢を整えたり、定期的に体位変換をしたり、栄養状態の改善を図ったりして、これ以上悪化するのを防ぎます。

重症の場合の処置

褥瘡が悪化し、壊死組織(死んでしまった組織)が見られる場合は、メスなどを使ってその部分を取り除くデブリードマンという処置が行われます。医療機関で行うこともありますが、壊死組織は痛みを感じず出血量も多くないため、在宅では在宅診療で行うことが珍しくありません。

褥瘡部分が膿んでいるなど、感染が疑われる場合は抗生剤も使用されます。その後のケアは、清潔と湿潤環境を保つなど軽症の場合と同様です。

デブリードマンやその後のケアだけでは回復が見込めないほど重症な場合は、手術を行って他の部位の皮膚などを移植する、再建術を実施することもあります。

褥瘡を作らない、悪化させないためにできること

褥瘡は発生させないための予防が大切です。自宅でできる予防ケアを紹介します。

毎日の観察を欠かさない
褥瘡が発生しそうな状況を早期に発見することで、いち早く予防ケアを実施することができます。次にあげるような症状がみられたときには、主治医や訪問看護師などに報告しましょう。
  • 皮膚が赤くなっていて、指で押しても赤みが引かない
  • 水ぶくれができている
  • ただれている
  • 滲出液(しんしゅつえき)が見られる
  • 皮膚が熱を持っている
異常を感じたらすぐに主治医や訪問看護師に相談する
家族が感じる「言葉にしづらいけれど、なんとなくいつもと違う」という感覚がトラブルを発見するきっかけとなることは少なくありません。いつもと違うと感じたら、主治医や訪問看護師などに相談しましょう。
皮膚の清潔を保つ
汗、尿、便が皮膚についたままだと、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。加えておむつの中は蒸れやすく、水分を含んで皮膚がふやけるとさらに傷つきやすくなってしまいます。少なくとも1日1回は洗浄し、しっかりと水分を拭き取りましょう。
乾燥を防ぐために保湿ケアを行うことも大切で、全身の保湿は気にかけましょう。また保湿と兼ねて尿や便を弾いてくれる保護剤などもたくさん出ていますので、活用するとよいでしょう。
栄養が摂れるように工夫する
摂る食事量が少ないと栄養不足になり、褥瘡ができやすくなります。患者さんが食べやすい形態の食事を準備する、お口の清潔を保つなど、食事がしやすい環境を整えましょう。
高齢者は摂取カロリーが少なくなりがちなので、一見体に悪そうなジャンクフードやコンビニのごはんなどは高カロリー高タンパクで適してる場合もあります。糖尿病など基礎疾患の有無でも変わりますので、訪問看護師や医師とも相談しましょう。
また食事量が増やせない場合には主治医と相談して、栄養補助食品の使用を検討しても良いでしょう。
患者さんに合ったマットレスや体圧分散マットを使用する
患者さんに合ったマットレスや体圧分散マットを使うことで、不必要な圧力が体に加わることを防げます。これらは介護保険でレンタルすることができますので、担当のケアマネジャーや訪問看護師に相談しましょう。
定期的な体位変換、正しい姿勢の保持を心がける
体の同じ部分に圧がかかり続けないように、定期的に体の向きを変え、余分な圧がかからないように正しい姿勢に整えます。体位変換は2時間ごとに行うことが理想と言われますが、在宅介護では難しいのも現実です。
最近は自動で体の向きを換えてくれるマットレスを使うのも珍しくありませんので、ケアマネジャーや訪問看護師などと相談しましょう。
介護サービスを上手に利用する
褥瘡予防は大切ですが、介護をする家族にとっては大きな負担となりがちです。家族が頑張りすぎないことも、介護を続けるためには大切です。訪問介護や入所施設などを上手に利用しましょう。
また上記の介護用ベッドやマットは要介護2以上でないと介護保険では借りれませんので、検討する場合は早めにケアマネジャーや訪問看護師に相談しましょう。

(LIFLL HOMEsより引用)

地元企業を紹介する番組「知っちょるカンパニー」に紹介されました。