お知らせ 訪問看護ステーション わかあゆ

看護師のお仕事〜口腔ケア〜🦷

お知らせ

口腔ケアとは?

口腔ケアとは、歯磨きなどで口の中をきれいに保つだけでなく、健康保持や口腔機能向上のためのリハビリなどを含んだ幅広い内容のことをいいます。歯や歯茎、舌、粘膜、入れ歯を含む口の中の清掃、口腔内や口周りのマッサージ、咀嚼や嚥下のトレーニング、リハビリなどが含まれます。虫歯や歯周病などの口腔内トラブル予防だけでなく、健康的な日常生活を送るために口腔ケアは重要なものとされています。

 

口腔ケアのメリット

【メリット1:口腔内トラブルの予防】

適切な口腔ケアを行うと虫歯や歯周病など口腔内トラブルの減少につながります。歯周病によって入れ歯がうまく固定されない、歯茎と入れ歯の間に食べ物が挟まって痛みを感じるなどという症状の改善も期待できます。

【メリット2:誤嚥性肺炎や感染症の予防】

適切な口腔ケアは、口の中の細菌が原因となって発症する誤嚥性肺炎や感染症などの予防につながります。嚥下(えんげ)障害によって口内の細菌が唾液や食べ物と気管に入ることで肺の中で炎症を起こす誤嚥性肺炎は、高齢者の死因の多くを占める恐ろしい病気です。 口の中の汚れや細菌を取り除き清潔に保つことで、これらを発症するリスクを低くします。

【メリット3:味覚改善による食欲増進】

口腔ケアによって舌の汚れをきれいに取り除くことや、唾液分泌が促進されることで味覚が改善する場合があります。味覚は唾液や水に溶けたものしか感知することができないため舌に汚れが厚く付いていると味を感じにくくなります。口腔ケアによって味覚が改善されれば食欲増進が期待でき、低栄養状態や脱水症状の予防にもなります。

【メリット4:コミュニケーションの改善】

口腔ケアによって口と舌の動きが改善されると、発音が良くなり円滑なコミュニケーションが取れるようになります。口周りの筋肉をほぐすマッサージによって笑顔が増える、表情が豊かになるなどコミュニケーションが活発になることもあります。また、口内環境がよくなることで、人と話すときに気になりやすい口臭を減らせるのもメリットです。

【メリット5:認知症を予防する】

口の開け閉めや咀嚼することが脳に刺激を与え、脳の活性化につながると言われています。近年、咀嚼と脳機能に関する研究がたくさん行われ、噛む刺激で脳の記憶を司る「海馬」の神経細胞が増えて認知症の予防につながるなどとも言われています。

 

口腔ケアのポイント

【ポイント1:できることは本人に任せる】

何でも手伝うのではなく、本人ができることは自力でやってもらうようにしましょう。例えば、歯磨きは手指を動かすので良いリハビリになります。できる限り自力で磨けるよう、使いやすい歯ブラシを準備しましょう。仕上げ磨きや磨き残しなどの最終チェックは介護者が行いましょう。

【ポイント2:短時間で済ませる】

口の中を見られることへの抵抗や、他人に歯を磨いてもらうことを不快に感じる場合もあるため、口腔ケアはできるだけ短時間で済ませましょう。高齢者の口の中は乾燥しやすく、違和感を感じやすくなっています。決して無理強いせず、口腔ケアの重要性を理解してもらい手際よく行いましょう。

【ポイント3:安全な姿勢で行う】

安全で無理のない姿勢で行いましょう。あごを上げたまま口腔ケアを行うと水や唾液が気管に流れて誤嚥性肺炎を引き起こす恐れがあります。あごをしっかり引いてうつむき加減の姿勢をとることが大切です。ベッドなどで行うときは、最低でも30度ほど上体を起こして後頭部に枕を入れるなど安全な姿勢を整えましょう。

【ポイント4:口の中の状態をチェックする】

口腔ケアを行いながら、口の中の健康状態を観察しましょう。汚れや食べかすが残っていないか、虫歯や歯茎の腫れ、出血、口臭などを日頃からチェックしておくことで口腔内トラブルの早期発見につながります。何か異常があればすぐに歯科医、歯科衛生士に相談しましょう。

口腔ケアの方法

【1.歯の磨き方】

歯ブラシを鉛筆のように軽く持ち、小刻みに動かしながら磨きます。歯の表側、裏側を磨くときは歯に対して90度になるように歯ブラシを当てます。歯と歯茎の境目を磨くときは歯ブラシを45度の角度にして当てます。力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまうため、歯茎に当たっても痛くない程度の力で行うようにしましょう。入れ歯をしている場合は外し、残りの歯を丁寧に磨きます。介助が必要な場合は、歯ブラシを持つ手と反対の手で唇や頬を広げながら、口の中に磨き残しがないかを確認しながらおこないましょう。
汚れがたまりやすい歯と歯の間は 、サイズの合った歯間ブラシを準備し掃除をしましょう。歯間にブラシを乱暴に入れたり、サイズが合わないと歯茎を傷めてしまう可能性があるため注意しましょう。

【2.うがいの方法】

うがいは口の中の汚れを洗い流すだけでなく、口腔内を潤す効果もあります。頬を片方ずつ膨らませてブクブクと動かし、上の歯と上唇の間も同じようにブクブクし、最後は口の中全体を膨らませてしっかり動かしましょう。うがいを無理に行うと誤嚥してしまう恐れもあるため注意しましょう。

【3.舌の清掃方法】

舌の表面にある白い苔状のものは、舌苔(ぜったい)と呼ばれる細菌や食べかすによってできた汚れです。口臭の原因にもなるため舌ブラシやスポンジブラシなどを使って舌の奥から前、中から外の方向に動かして汚れをきれいに落としましょう。力を入れすぎると舌を傷つけてしまうため、優しくこすりとるようにしましょう。

【4.口腔清拭(せいしき)の方法】

体を起こすのが難しい場合や、口に水を含んだままにできない方には口腔清拭(せいしき)を行います。口腔ケア用スポンジブラシや指などにガーゼを巻きつけ、口の中の汚れを拭き取りましょう。上の歯と頰の間→上顎→下の歯と頰の間の順に行い、奥から手前に拭き取ります。指を奥まで入れすぎると痛みを感じる、嘔吐してしまうなどもあるため注意しましょう。

【5.入れ歯の洗浄方法】

義歯用ブラシを使って、入れ歯についたぬめりや汚れを水ですすぎながら磨きましょう。その後入れ歯洗浄剤に浸し、つけ置きが終わったら浮き上がった汚れを水で流しながらブラシで磨きましょう。研磨剤の入った歯磨き剤を使用すると入れ歯を傷つけてしまうため、入れ歯専用のものを使用しましょう。入れ歯が変形してしまうことがあるため熱湯は使わないように注意しましょう。

【6.唾液腺マッサージ】

唾液腺と呼ばれる部分(上の奥歯付近にある耳下腺、あご下の骨の内側のやわらかい部分にある顎下腺、あご下にある舌下腺)などをマッサージして、唾液の分泌を促しましょう。力加減に注意しながら各部分を優しく指で揉みほぐします。

口腔ケアに便利なアイテムについて

●歯ブラシ

歯ブラシが届きにくい細かなところには、ブラシ部分が小さいポイントブラシ、手指を細かく動かすことが難しい人には電動ブラシがオススメです。歯磨きの最中に大量の唾液が溢れ出る方には、唾液を吸引する機能が付いた歯ブラシ(吸引機に接続するもの)もあります。

●歯間ブラシ

歯ブラシだけでは取り除けない歯と歯の間の汚れには、歯間ブラシを使いましょう。歯間ブラシにはI字型とL字型があり、ブラシ部分は普通や太めなどのサイズがあります。歯茎に傷をつけないように適切なサイズを選びましょう。

●スポンジブラシ

先端の部分がスポンジになっているスポンジブラシは舌、歯茎、上顎、唇や頰の内側など口の中の粘膜の汚れを取り除きます。スポンジの形状や硬さなど様々な種類があるため、口の中の状態に合ったものを選びましょう。

 

●舌ブラシ

舌ブラシはうがいだけでは取り除けない舌苔を取り除くのに便利です。ブラシ部分に毛がついているもの、毛のない樹脂製のやわらかいタイプなどがあります。

 

●義歯用ブラシ

義歯用ブラシは入れ歯の洗浄に使います。通常の歯ブラシより毛先が硬く、持ち手の部分も太くて掴みやすいので力を入れ磨きやすいです。硬さやサイズが異なる2種類の毛がついているものが多く、入れ歯の細かい部分も綺麗にみがけるようになっています。

●うがい受け(ガーグルベース)

うがい受けは口元にフィットしやすい形状になっているのが特徴で、ベッドなどでケアをする際、うがい後に吐き出した水を受けるために使う容器です。

●ウェットティッシュ

口腔用ウェットティッシュは口の中の汚れを拭き取ります。取り出してすぐに使うことができ、使い捨てで衛生的です。

●保湿剤

保湿剤は口の中の乾燥を防ぎます。口内の乾燥は口臭の原因となり、歯周病などの口腔内トラブルを引き起こしやすくなります。保湿剤には、スプレータイプやジェルタイプ、マウスウォッシュタイプがあります。口の中の状態に合わせて適切なものを選びましょう。

 

 

患者さんが自宅で安心、安全に生活する為に口腔ケアはとても大切です。私たち看護師もケアを行いますが、自宅で介護者の方も実践できるよう指導やアドバイスも行なっています。

口腔ケアの方法や正しい道具の選択がわからないと困っている方がおられましたらいつでもご相談ください。

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