お知らせ 訪問看護ステーション わかあゆ
うつ病について(家族にできること)
お知らせ
今日はうつ病について簡単に書きたいと思います。
私たち「わかあゆ」は精神疾患を持つ方の訪問看護も行なっています。
うつ病の患者数は近年、増加しており、およそ96万人にのぼると報告されています。
うつ病はだれにとっても身近な病気であるといえます。
だれでも、いやなことや悲しいことがあると、気分が沈んだりやる気がなくなったりすることがあります。しかし、うつ病は、日常で感じる一時的な気分の落ち込みなどではありません。言葉では表現しようがないほどつらい沈んだ気分または興味・喜びの喪失が、ほとんど一日中ほぼ毎日、2週間以上続き、仕事や日常生活の困りごとが出てきてしまう―これが「うつ病」です。
うつ病は、脳の働きに何らかの問題が起きた状態であると考えられています。
気力で解決できるものではありません。うつ病は、治療が必要な病気です。
うつ病の症状には、抑うつ気分、興味または喜びの喪失、意欲の低下・おっくう感などの“こころの症状”があります。
しかし、うつ病はこころだけではなく、いろいろな“からだの症状”があらわれることもわかっています。
うつ病はつらい病気ですが、生活をともにする家族でもその苦しみを理解するのは難しいものです。
家族や周囲の人たちがこの病気のことを十分に理解しないまま治療を続けても、本来の効果が期待できないばかりか家族同士の信頼関係を損なったり、職場・友人との人間関係にも悪影響を及ぼしたりすることがあります。まずはこの病気について正しく理解してください。
うつ病を治療する上でもっとも重要なのは休養です。会社や家庭の仕事などのストレスから離れて休養するためには、家族や周囲の人たちの理解と協力が必要です。本人ができるだけ早くつらい状況から回復するためにも、安心して治療に取り組める環境づくりに協力してください。
うつ病の治療には時間がかかりますが、かならず治ると信じて寄り添うことが本人の回復にとって大きな力になるのです。
うつ病の方と生活をともにする家族にこの病気に対する理解がないと、「怠けているだけじゃないの」「この先どうするの」「逃げている」などといってしまうことがありますが、これらの言葉は本人の孤立感を強めて病気を悪化させてしまいます。また、本人を心配するあまり「頑張って」「いつになったら治るの」などの言葉をかけたくなることもありますが、励ましの言葉や本人を焦らせるような言動も禁物です。
本人はうつ病になって休養せざるを得ない自分に対し無力感や罪悪感を抱いていることが多く、1日も早く元の生活に戻りたいと、だれよりも焦りを感じているからです。そっと見守ってあげることが大切です。
また、うつ病の時には物事の見方や考え方が否定的になりがちで、判断力も鈍っています。そのような時に人生を左右するような重大な決定をすることは避けたいものです。できるだけ先延ばしさせるようにしてください。
うつ病はよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ回復していきます。休養や治療が不十分だったり、社会復帰を急ぎすぎたりすると再発を引き起こしかねませんから、少し調子がよくなったからといって油断は禁物です。いい状態を維持して再発を防ぐためにも、本人の状態を見守りながら、調子が悪そうな時には無理をしないよう促しましょう。